長編 悪魔の万華鏡

□箱庭のお姫様
1ページ/1ページ

何か大切な事を…思い出せない…

メフィストは大切にしてくれる。
だけど…彼は私から全てを奪う


屋敷から1人で出るのは危険だと外出はしてはいけない。
彼がいない時間、私を楽しませ様と話をしてくれた使用人、2人笑っている所をメフィストに見られた日を最後に屋敷から消えた。
庭を手入れをしていると手に傷がつくと大変なのでと花を滅ぼす…
メフィストが大切にしてくれるほどに可愛は孤独になる。

何も覚えていない私を助け…側に置いてくれるのには感謝している
ただ…この気持ちが愛情かと問われると分からない…。

雪の降るあの日メフィストを見た瞬間初めて会うはずの彼の名前が分かる…もやがかかる記憶の中、私と彼は口付けを交わしている、そんな風景が私の頭に蘇る。
メフィストは私に覚えはないと…
唯一残る記憶…彼と口付けを交わせば何か思い出すと思った、彼も何か感じる物があるのではないかと。
メフィストは雪の降る中、薄着で立つ私を屋敷に入れてくれた。

私はその時何も知らなかった

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ