長編 悪魔の万華鏡

□金魚
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今日は夜空がいつもより明るい。

いつもは夜になれば街頭が点々と光るだけの町並みも今日は色とりどりに輝いている。

遠くから聞こえる楽しげな太鼓。
祭囃子が近づいてくる。
可愛はテラスから身を乗り出して光を見つめる。
『ねぇ…メフィスト、あの賑やかな光は…?』
今日は年に1度の祭だ。
可愛は興味深そうにこちらを振り返る。
『可愛は祭を知りませんか?人間達が神に感謝し、神達を接待する。あの音楽や灯りはその為の物です』
『屋台も出ていて、そこで食事をしたりゲームなどもあります』
『簡単にいえば…人間達が毎年楽しみにしている行事です☆』
祭の説明…とか難しいものだ。
祭だけに限らない。
可愛は知らない事が多い
それを言葉で説明するのは難しく私も頭を抱えていた。
『可愛。一見は百聞にしかずという言葉があります。
行きましょう。祭に☆』
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