長編 悪魔の万華鏡

□続 万華鏡
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『ねぇ…メフィスト…この辺りに古い教会ってある?』

古い教会…そういえばここから南に行った所にそんな物があった様な気がする。
『そこに行きたいんだけど…いいかな…?』
1人ではなく私も行くという事でその場所に行く事にした。
外出はしていないはずなのにその教会を何故知っているのか?
嫌な予感がする…
考え事をしながら歩いていると
可愛は自分 の手を私のポケットに入れてきた。
『メフィストの手…冷たいね…』
ギュっとポケットの中で握られた手は可愛の方がずっと冷たかった。
しかし…そんなかわいい可愛を見ていると嫌な予感などどうでもよくなった。

『どうして教会を知っていたのですか?』
『…わからない、ただ教会に行かないと駄目な気がする…』

そんな話をしながら古い荒れ果てた教会へ私達は着いた。

可愛は私のポケットから手を抜き教会の周りを囲む有刺鉄線をかき分けた。
『可愛、危ないですよ!何してるんですか?!』
私の声など聞こえていない様に見える。
可愛は古いドアを開け教会の中へ消えていく。私はその後を追う。
『可愛…?』
可愛はボロボロの祭壇に横たわってた。
割れたステンドグラスから日が零れ可愛の胸を光が貫いていた。
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