短編集 線香花火

□花火 ※R18
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何度も何度も愛を確認しあう、人の言葉で獣の欲情で。

『可愛…寒くはないですか?』
つるりと手触りのよい布が私の背にかかる
『ありがとう、大好きよ…』
布をかけるメフィストの手を握ると優しく抱きしめられた。
その肌はまだ熱を持ち夜風にさらされた肌には心地よい
『私は可愛が大切です…誰よりも何よりも…』
抱きしめる力が強くなる
『メフィスト…貴方がいてくれるなら私は何もいらない』
静かな空を2人で永遠に見れたらいいのに…
花火はとっくに終わり夜空はいつもの静けさを取り戻している

愛してる
私もよ
結局花火見れなかったですね…
いいよ、来年またあるし
来年こそはちゃんと見ないと…
そうだね
これからもずっと一緒です
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