短編集 線香花火

□花火 ※R18
2ページ/5ページ

メフィストが選んでくれた黒い浴衣に赤い帯。
大人の官能を感じる色
『可愛…愛してます…』
吐息が耳にかかる
『ん…メフィスト…』
体をよじりピクリと反応
その反応を楽しむように私の腕や脚を爪先でなぞる
はだける胸元、夜とはいえテラスだと人に見える可能性がある。
『可愛…貴女のこんな姿を他人に見られたくありません』
そう言いながらも指を遊ばせる
『…すごく淫らですよ…』
その言葉が私を狂わせる。
先ほどより感度があがる、いやらしい言葉に興奮する自分がいる。
『メフィ…ストの意地悪…』
喘ぐ声を抑え潤む瞳で見つめる
『おや…心外です。意地悪というのはこういう事では?』
ニヤリと笑ながら手を止める。
意地悪…火照る体だけが夜風に吹かれる
『わかった…ごめんなさい…だから続きを…』
自分の口から…恥かしめを受けるがよりそんな自分に興奮してしまう…
『はい…素直ですね。わかりました』
嬉しそうな声が聞こえ、体をメフィストの方に向けられる
『では…続きを楽しみましょう』
私を強引に引き寄せ唇を舐める。
その舌は唇のラインをなぞりながら、ゆっくりと中へ入っていく。
『……んっ…』
甘い息が漏れる
口内にメフィストの長い舌が這いずる、絡み合う舌口の中身を削ぎ取られるような口付け。
『…ふぁっ…』
メフィストの手が帯をほどく。
もう…何も考えれない。
夜空が綺麗な花で色度られてる中
私は淫靡な空気の中…色付く。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ