Kis-My-Ft2*短編集

□放課後の音楽室
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私は放課後に音楽室にやってくる
毎日というわけではないが最低でも週2回
この音楽室は授業で使うだけで部活ではあまり使われない音楽室であり先生に許可を得て使っている
家にピアノがなく弾きたいのだがなかなか弾けないので弾きたくて放課後ここにやってくる
「今日は何弾こうかな」
楽譜は持参、音楽室に来るときはいつも2〜3冊を所持してくる
ポロンポロンといつものように曲を弾いていると
「誰かいるの?」
はっとしてドアの方に目をやると同じクラスの千賀健永がそこに立っていた
「ピアノの音すると思って来てみたら、すごい上手いんだね」
「ありがとう」
まさかの訪問者にびっくりしてもう帰ろうと支度し始めると
「え?帰るの?もっと聞かせてよ」
「いや、これ弾いたら帰るつもりだったし」
「てかいつも来てんの?」
「ううん、いつもじゃないよ、けどできる限り来てるし家にピアノがないから学校で先生の許可もらって弾いてるっていう」
じゃあ俺も時間あったら来ていい?ピアノ弾いてるの聴きたい!ってニコニコして言うものだから断れなくて・・
それからというものほんと私が弾きに行くときには必ずと言っていいほど付いてくる
「千賀くん部活は?」
「帰宅部」
「そうだったんだ、何かしてるのかと」
「お前は?」
「え?あ、私も帰宅部みたいなものだけど」
「そうなんだ」
たわいない会話のあとには今まで通りにピアノ弾き始める
今日は時間があるので持ってる楽譜分曲を弾いた
弾いている間、健永を見るとしっかり聞いてくれている様子なのでふいに私の演奏どう?と尋ねてみた
「いいんじゃない?」
一言返してくれると
「そんなに上手いとやっぱピアニストとかなりたいの?」
と聞かれた別にピアニストになりたいわけではないが
「幼稚園の先生になりたいな」
なんて呟くように言ってみると
「そうなんだ!へー、それ将来の夢なの?」
「うん、そう」
少し照れて俯く、そんな私の様子を見た健永は
「似合ってるよ、幼稚園の先生」
ニコッと微笑んでそう言う、しかも私の顔の近くで
「ひゃぁぁ!」
あまりにびっくりして健永を軽くだが突き放してしまった
「うわ、あ、ごめん」
「いや、えっと私の方こそごめん、だ、だって近いから」
近いという言葉に反応して健永は確かに近かったと思いお互い照れだしたのだ
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