The world that was tied up

□個性
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私、生まれて初めてBAR?というところに来ました。
グソンさんは両手に花状態。
綺麗な女の人達と楽しそうに喋っているのに比べて、私は相手してくれる人が居なくて退屈。
仕方なく部屋の隅っこで人生初のお酒を飲む。
するとグソンさんの持っている端末がいきなり鳴り始めた。
電話に出たグソンさんは喋りながら私の横まで歩いて来て、私に手を差し出し、私はその手を取った。



結局何の為にあの場に居たかは分からなかったけど、今はそれどころじゃない。
私は今吐き気を催している。
その原因は目の前にある細かく刻まれた死体。

「うっ…ぐ…」

何とか吐くのを抑えようとするも無理なものは無理だった。
余裕の表情を浮かべるマキシマさんは私をトイレに連れて行き背中をさすってくれた。
殺されたのは女で、一言で言うとすごい服装だった。

「っ…」

「大丈夫かい?」

「マキシマ、さん…」

改めてこの人のことを知った。
人が目の前で殺されても何も感じない人間なのだと。
それは彼のサイコパス色相が明白に表していた。

「何で…そんなに平気なの…?」

ふと出た疑問。
この人には動揺というものが無さ過ぎる。

「むしろ君は何故平気じゃない?人が人を殺しただけさ」

彼の言葉は残酷。
いや、彼自身が残酷なのかもしれない。

「…悲しい人だね…」

呟いた私の言葉を、マキシマさんは聞き逃した。
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