osomatsu

□私と六つ子の従兄弟達
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新年明けましておめでとう御座います。お正月、という事で従兄弟であるおそ松君達の家に来たのですが、私には少しばかり問題があるのです。
ガラッと引き戸を開けると早速従兄弟の内の一人であるチョロ松君とご対面。



「あ、名無しさんちゃん、明けましておめでとう」
「お、おめでとうございますっ!」
「上がって上がって、寒かったんじゃない?」
「え、あ、い、いや、そんな事は・・・」
「部屋暖かいから入ろう」
「お、おばさんに渡すも、物が・・・」
「じゃあ先に入って待ってるね」



もう分かった人も居るんじゃないだろうか。そう、私は従兄弟達と会話するのが苦手なのだ。嫌いという訳ではない。だが一年に一度しか会わない上に相手は男の子達だ。毎年兄妹達は楽しく会話しているのだが、私だけは緊張して中々会話に入れない。話し掛けられても会話が続かない。これが毎年の悩みだ。



「あら、名無しさんちゃん、明けましておめでとう」
「あ、おめでとう御座います・・これ、皆さんで食べて下さい」
「わざわざ有難う、ゆっくりしていってちょうだいね」
「は、はい・・・」



来る時に買って来たお菓子を渡してまた部屋の前に戻る。チョロ松君は居間で待っていると言っていたが、この居間に入るのも私にとっては緊張する事だ。多分皆は大して気にしてる訳じゃないんだろうけれど、入る時に必ず皆は一度入って来る人物に目を向ける。私はその視線にすら緊張してしまうのだ。何て考えつつビクビクと緊張しながらそっと戸を開ける。



「おー、あけおめあけおめ」
「ふっ、やっと来たかマイシスター」
「新年の挨拶しろよカラ松」
「・・・あけおめ」
「あ!名無しさんちゃん、あけおめ〜!!」
「明けましておめでとう、名無しさんちゃん」
「あ、明けましておめでとう御座います・・・!!」



長男から順番に挨拶され、私はチョロ松君と一松君の間に座る。皆はお年玉の話やお正月のテレビ番組の話で盛り上がっていて、私はそれを黙って聞く。毎年あまり会話は出来ないけど、こうやって一緒に過ごすだけでも実は楽しかったり。でももっとお話出来たらなぁ、とか。



「いやぁ、にしても名無しさんちゃんおっきくなったね〜」
「え!?」
「兄さん、名無しさんちゃんとはそんなに年も変わらないんだからそれは兄さんのセリフじゃないでしょ・・・」
「しかし、お前は年々可愛くなるな・・・」
「か、可愛く!?」
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