書物

□ 変態という名の
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※注意※
R指定の基準が分からないのですが、一応R-15ということで…
ぬるいどころか、エロくもなんともないかもですが、何でもOKな方はどうぞ↓


















それから数年、忠は小学生を卒業した。
ああ、これから僕の嫌いな”女子になるんだと思ったら、忠を縛り付け僕の部屋に閉じ込めてしまいたい気持ちが溢れそうになる。

けれど予想に反して忠は、線の細い体も、健康的な肌の色も、顔にある可愛らしいそばかすも、変わっていることなど殆どなかった。
変わってるところをあえて上げるならば、この豊満とは言えないが女性らしい膨らみ帯びてきた胸だろうか。

「ふっ、ん……ちょっとツッキー!急に変なところ触らないでよっ」

無意識に忠の胸を触っていた手を叩き落とされ、仕方なく湯船に落ちた両手を忠のお腹の前で組む。

「もうっ!」

忠は怒っていることを口で露わにしてくるが、身体は後ろにいる僕に預けられた。

小学生までだろうと思っていたお泊まりは今なお続いており、まさかのお風呂も一緒というのも現在進行形である。しかも忠はタオルも巻かずに僕の上に座っているのだ。

いろいろと鎮めるのが大変なんだけど、結構満更でもない。

僕は山口の肩口に顎を乗せ、意地悪な質問をした。

「忠は彼氏作らないの?」

そう言えば、忠は湯船の中で体の向きを変えて僕に対面してくる。
その時、風呂で火照った頬と、涙を溜めた目をした忠に興奮したのは秘密だ。

「ツッキーがいるのになんで作らなきゃいけないの?」

この言葉を聞きたくて、わざわざ忠の悲しむ質問をする。

「そうか」

俺は嬉しくて忠を抱きしめ、顔を忠の柔らかいものに埋める。すると忠は、キュッと弱い力で抱きしめ返してくれる。





ごめん、忠。卑怯な大人で。
でも、もう諦めて。僕は忠を離せなくなっちゃったから。
もし忠に好きな人ができてしまったら、既成事実を作ってしまおう。そのとき忠は泣くかもね、怒るかもね。でも安心して?その分忠を幸せにするし、不自由させないよ。








あともう一つ、忠に謝りたいことがあるんだ。

「ツッキー好き。大好き」

「ありがとう、忠」

僕が”好き”と言えない臆病な人間だってことを。



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