とある科学の魔術詠唱

□能力
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「佐天さん…」

「あ、あはは。すいません、急にこんなこと言って。忘れてください」

佐天は力無く笑う
知り合ってまだ数日しか経っていないが、佐天がLevel0であることにコンプレックスを抱いているのは薄々感じていた
だが、自分ではどうすることもできない
それが歯痒く、悔しかった

「レベルは関係ないと思うよ」

「「え?」」

侑李の虚を突く発言に美琴と佐天の二人は同時に振り返る

「例え能力が無くても、『佐天涙子』という一人の人間であることに変わりはない。それでいいんじゃないかな?」

「「・・・」」

言葉もなく見つめてくる二人に視線を向けて侑李は語る

「涙子は飾利がLevel0だったとして、それを理由に態度を変えたり、突き放したりする?」

「そんなことするわけないじゃないですか!どんなことがあっても、初春はあたしの親友なんですから!」

侑李が持ち出した仮定の話に佐天は声を荒げて断言する

「佐天さん…」

そんな佐天を初春は感動の面持ちで見つめている

「じゃあ、美琴が今能力を無くしたとして、黒子が美琴から離れていくと思う?」

「そんなことはありえませんの!私がお慕いするのは常盤台の超電磁砲などではなく、御坂美琴お姉様なのですから!」

黒子もまた、侑李の言葉を強い口調で否定する
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