とある科学の魔術詠唱

□勝負
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「よし、ここね」

辺りを見回し、美琴が呟く

「初春、間違いありませんの?」

「はい、確かにこの辺りです」

事前に初春からもたらされた情報と周囲の様子を照らし合わせる
目の前には川が流れ、後ろには取り壊し予定の廃ビルが並んでいる

「うん、ここなら人目を気にしないでやれるね」

侑李も確認作業を終えて納得したように頷く

「そうね。万が一被害が出たとしても廃ビルばっかだから、問題無いでしょ」

「ちょっと待て」

美琴の物騒な発言に思わずといった風に声が上がる

この娘ならやりかねない
なにせ数日前、街中で強盗犯に向けて、直撃ではないにしろ、容赦なく超電磁砲をぶっ放したのだ

「大丈夫よ。本当にそこまで派手にやる訳無いじゃない」

「ならいいけど…」

いいけど、と言いながらも侑李はどこか不安げだ
よく見ると黒子も侑李と同じような顔をしている

「ま、とりあえずさっさと始めましょ」

そんな周囲の懸念を知らずに催促する美琴
一抹の不安が残るものの、侑李はその言葉に従って美琴と対峙する
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