とある科学の魔術詠唱
□能力
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「さて、話は決まったけど場所はどうする?まさか街中でやる訳にもいかないし」
「そうですわね。初春、この辺りで人通りの少ない場所を調べてくださる?」
「あ、はい。少し待ってくださいね」
黒子に指示された初春は、端末を取り出して嫌な顔ひとつせずに地図を調べている
「えーと…。ここから十五分程歩いたところに取り壊し予定の廃ビルがあって、その先は河原になっているようですね」
初春は端末をしまいながら調べた結果を報告する
「よし。じゃあ、そこに行きましょうか」
ファミレスでの会計を済ませて五人は河原に向かう
「あ、そういえば篠宮さん」
「ん?何?」
道中、佐天の呼びかけに侑李は振り返らずに続きを促す
「さっき、『久しぶりに』って言ってましたけど、どういうことですか?」
「ああ、そのこと?単純に昔にも勝負してたってだけよ?」
答えは問い掛けられた侑李本人ではなく、美琴からもたらされた
侑李もその言葉に頷き、補足説明を加える
「まあ、勝負と言ってもあたしの能力はあんまり攻撃向きじゃないから、あたしが守りに入って美琴がどうやって電撃を当てるかが主な流れだったけど」
「へぇー。お二人が一緒だったのって小学校の三年生までなんですよね?その当時はレベル、どの位だったんですか?」
はて、どうだったかなと侑李と美琴は当時を振り返る
確か・・・
「別れ際に二人とも3になったくらいだったかな?」
「あぁ、そのくらいだったわね」
侑李の確認に美琴は記憶を手繰り、それが事実であることを確かめて頷く
「凄いなー。あたしなんて中学生になってもLevel0のままなのに」
佐天はどこか淋しそうに呟く