とある科学の魔術詠唱

□出会い
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「あ、白井さん、御坂さんが来ましたよ」

美琴ともう一人の来店に気づいた初春の言葉で、ネットで仕入れた都市伝説ネタを興奮気味に披露していた佐天と、それをやや辟易した様子で聞いていた黒子は店の入り口に現れた人物の姿に笑顔を浮かべる

キョロキョロしている美琴に自分たちの存在をアピールしようとした佐天よりも先に黒子が美琴の下へとテレポートする

「お姉様〜、お待ちしておりましたの〜。さ、あちらの席ですわ」

ようやく現れた想い人の腕に自分の腕を絡めながら初春と佐天の座る席を指す

「だあぁ、もう!くっつくな!暑苦しい!」

喚きながら、いきなりテレポートして来たと思えば腕を絡めてくる変態を振り払う

「あぁん、相変わらずつれませんのね。でもそんなお姉様も大好きですのぉ〜。と、そちらがお連れの方ですの?」

前半と後半で全く調子の異なる口調で問い掛けながら、美琴の後ろに立つ侑李に目を向ける

「そうよ。でもまあ、いつまでもこんなところに突っ立てないで、座りましょ…て、侑李?どうかした?」

侑李は顔をしかめながらこめかみを押さえていた

「なんかデジャヴ…。いや、なんでもない」

首を傾げながら侑李を促す

いつもの四人に侑李を加えた五人が席につく

「とりあえず、先に紹介しとくわね。みんな、コイツは私の小学校時代の友達の篠宮侑李」

「よろしく」

美琴の紹介に合わせて軽く会釈する侑李

「あのさ、美琴?人を紹介するのにコイツ呼ばわりはないんじゃない?」

渋面を浮かべながら諭すように語りかける

「いいじゃない、別に。細かいことは気にしない気にしない」

美琴はどこ吹く風とばかりに涼しい顔をしている

「いや、気にしろよ少しは」

侑李のツッコミも華麗にスルー

「え、えーと。それじゃ、私達も自己紹介しますね」

なんともいえない微妙な空気を払拭するように佐天が声をあげる

「そうですね」

そんな佐天に乗っかって初春が賛同する

「はじめまして、篠宮さん。私は柵川中学一年の初春飾利といいます。よろしくお願いします」

「同じく柵川中学一年、佐天涙子でっす!よろしくお願いしますね、篠宮さん」

「常盤台一年、白井黒子と申しますの。よろしくお願いいたしますわ。ちなみにわたくし、寮ではお姉様と同室ですの」

「ん、よろしく」

侑李は、自己紹介する三人に感情の読めない無表情で挨拶を返す

「アンタ、その無表情なとこはホント相変わらずなのねー。ていうか黒子、今同室どうこうの話必要ある?」
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