□私のための翼
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何時からそんな風に感じ始めたのだろう
―逃げようとも逃げようとも追いかけてくる影が恐ろしくて仕方がなくて、暗闇に入ると今度はそれが総て影のように見えて影に押し潰されそうになって。

そんな私を優しい母は私の頭を撫でてあやしてくれた、暖かな人の手だけが私を影から守ってくれる唯一の場所で、母は私から片時も離れず側にいてくれた。

けれど、その手もいつの間にか無くなってしまった。

私は気が狂ってしまいそうな恐怖に負けてしまいそうだった―そう、貴女が私の元へ来てくれなかったら。

初めてみた瞬間、影の圧迫が嘘のように消えた。幼い笑顔が私を恐怖から救い出してくれた

貴女だけが私を救ってくれた、貴女は私の総てで今度こそ温もりが失われたら狂ってしまう
私は私の総てを相手へと頼っていた。
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