マテ無

□謎のストーカー
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「ティア!!」

名を呼ばれたティアを始めとしてルーク一行は深々とため息をついた

「なんのご用ですか、教官」

冷めた目をしてティアが自分の名を呼んだ者の方へ視線を向ける

「なんの用かと言われたらお前を心配して見に来たに決まってるだろう!むさ苦
しい奴等に囲まれて……ああっ、嘆かわしい」

「…オイ、むさ苦しいって言われてるぞ?」

「あれは、ルークの事だろ。俺はむさ苦しくなんてないからな」

「じゃあ…大佐か?まあ、もうすぐ40才だしな」

「おやおや、私がむさ苦しいわけないでしょう。失礼な」

男達が擦り付け合いを始め、ティアがそれを横目に見て何度目かわからないため
息を深くついた

「…教官、敵なら敵らしく大人しくしていてください」

「な、なにをティア。お前に手取り足取り腰取り色々なことを教えてやったのは
誰だと思ってるんだ」

「腰取りは止めて下さい…確かに教官にはお世話になりました、けれどそれとこ
れとは話が別です。」

「…ティアが、ティアがー。あの『教官v』とハートマークを付けて話していた私
の可愛いティアが!!」

「私、そんな話し方した覚えはないんで」

きっぱりと否定し、武器を構えてそれと共に綺麗な歌声が聞こえる。ルーク達は
一斉に耳を塞いだ

「ナイトメア!!」

詠唱が終わりティアが技の名前を言うとリグレットはその場で眠り始めた

「全く、これで何度目かしら」

「…お疲れ、俺も十回迄は数えてたけど飽きてないから数えてないな」

本日何度目になるかわからないため息をついたティアに心底同情するようにルー
クはティアの肩をポンポンと置いた

「…って、あの方はあのままで良かったのですか?」

すっかり和やかになった一行で唯一まともな突っ込みをしたのはナタリアだった

「大丈夫よ、教官は殺しても死なないから」

無駄に笑顔を浮かべそれ以上の会話を拒否したティアにそれもそうかと思いつつ
最後にボソリとナタリアが呟いた

「…雪山で寝たら死ぬと聞いたことがあるけれど、まああの方なら大丈夫でしょ
う」

End
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