マテ無

□駆け引き
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…貴女に見て貰えるなら何でも良かったの

その感情がが好きでも嫌いでも憎くても愛しくても

感情が向けられるだけでどうしようもなく嬉しかった

だから、私は貴女の一番嫌がることをする

「…どうして…お姉さま…」

祥子が目に涙をためて信じられないと言った表情で私を見てくる

その目で見られるのがたまらなく愛しい

「私が祐巳ちゃんを盗ったのがそんなに悔しい?」

「だって、お姉さまが祐巳を好きなんて…」

「私は祐巳ちゃんの事は好きよ、勿論恋愛感情ではないけれど」

改めて言葉にした後の祥子、やっぱり可愛い。傷ついた時の祥子が一番輝くと思う

「…じゃあ、なんで…私から祐巳を奪うんですか!……私のことお嫌いなんですか」

辛く切ないという感情を爆発させて私に詰め寄る、いっそのこと全て私の想いを伝えてしまおうかとも思ったがその最高の表情は後で盗っておこうかと決めた

「嫌いなわけないじゃない…私の可愛い妹なんだから」

「じゃあ、祐巳と別れてください」

「…いいわ、一つ条件があるけれど」

嫉妬とは人を変えてしまうとはよくいう物だがそれはこの子にも等しく言えるのだなと思った

…勿論その条件は

『私と付き合って』

End
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