Fate
□貴女の側
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「ライダーって兄さんがマスターだった時ってどうだったの?」
ある昼下がり読書中のライダーに退屈中の桜が話しかけた、仕方がないと本をパタッと閉じた。こうなった桜は無視されると後々ぐれるからだ
「…慎二ですか?典型的なマスターですよ、サーヴァントを駆使して自分の身は守ろうとする。どうしたんですか突然」
「大した理由はないんだけど…私はライダーにとっていいマスターになりたいなって思って。今の私はライダーに頼ってるだけだから」
相変わらず伏せ目で苦笑をしながら話す、聖杯戦争が終わった今マスターも何もあったものでないが。
「貴女は私にとって大事な全てを投げ打ってでも守りたいマスターですよ、私が現世に留まり続ける限り貴女の側に居たいと思ってます」
「ありがとう、私もライダーが此処にいる限りずっとライダーの側に居たい。こうやって毎日を楽しく過ごしたい」
「私は貴女が居る場所でしたら何処だってどんな状況だっていいですよ」
桜が嬉しそうに優しく微笑む、不器用な彼女のことだ。聖杯戦争が終わった今自分を必要とされているか確認したかったのだろう。