Beat
□まだ知らない
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今日はちょっと久しぶりのコンサート。
誰もが知るトップアイドルグループから新人のグループまで、たくさんのアイドルたちが集まる大きなコンサート。
僕たちは無事に中盤ぐらいの出番を終えて、ステージ裏に戻ってきた。
「お疲れ様ー!!」
「ソンジェ!よかったよ!」
「控え室に移動して、休もうかー」
メンバー、マネージャー、スタッフたちの慌ただしい声が交差する。
ステージ裏は出番を終えたものとこれからに備えて準備しているグループとでごちゃごちゃしていて、ただでさえ熱気がすごいのに、ステージ終わりのせいかさらに蒸し暑く感じた。
目の前の、控え室行くよーー付いてきてーというウングァンヒョンのあとをついていこうと必死になる。
ああ、どうしよう、こんなところではぐれたら大変だ。
自分でもよく分からないけど、ひとりですごく焦っていて、額から首から背中からだらだらと冷や汗が流れる。
ヒョンたちといっしょにいなきゃならないのに、足がだんだんと重くなっていくように感じる。
待って、待ってよ、ヒョン!
遂には膝に力が入らずカクンとおれて、視界がぐるんと反転して、真っ暗になった。