そるきゃ

□無邪気は時に
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程良いあたたかさを感じさせる早朝。

辺りは明るくなっているも、どの家も未だ寝静まり不思議な空間を生み出していた。

僕はいつもと同じように公園へと走る。



「あ、御器谷先輩!おはようございます!」



僕が公園に行くと彼女はすでにベンチに腰かけていた。

私に気付いて勢いよく立ち上がり、寝起きとは思えないくらい元気に腕をこちらに振る。



「おはよう、ごんべさんちゃん。待ったかな?」



首にかけたタオルで額の汗を拭いながら問いかける。

すると彼女は大きく顔を左右に振ってにこりと笑う。

とても分かりやすく、かわいらしいと感じる。



「いえ、さっき来たばっかりです!それじゃ行きましょう!」



彼女の言葉を合図に僕たちは公園を横切る緑道を走る。

僕が唯一、毎朝を一緒にランニングできる知り合いだった。

もともとは一人で走っていたのだが、毎朝同じ時間帯に走っている陸上部の彼女を見かけ、気付けばこうして一緒に走るようになっていた。

勤勉な彼女は毎日走っているだけあって、僕と同じペースで走り持久力もある。

気兼ねなく毎日を過ごせるような関係だった。



「今日もこの後は朝練なの?」



僕が問いかければ彼女はちらとこちらを見て嬉しそうに笑いかける。

普通なら疲れて苦笑いの一つがあってもいいのに、彼女は笑顔で部活動にも取り組んでいる。

僕ももちろん吹奏楽が大好きだが、彼女ほど笑顔になれることはあっただろうか。

だからこそ笑顔で熱心に取り組む彼女が羨ましくもあり、尊敬していた。



















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