そるきゃ

□隣の君
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今日の合奏は次の行事で演奏する曲。

私にとっては少しだけ特別な思い入れがある。

いつもの合奏とは違い、トランペットパートのすぐ隣の席へと腰掛ける。

初めて1stトロンボーンとして演奏する曲だ。

ほんの少し見慣れない景色に新鮮味を感じて辺りを見渡した。

2ndや3rdとは違いバンドの真ん中から全体が見える。



「おおー……ちょっと壮観」


「何がだ?」



突然声を掛けられて右を向けば、小豆色の真っ直ぐな髪が視界に入る。

トランペットパートの音羽はゆっくりと私の隣の席へと腰掛けた。

1stを多く担当する彼にとっては何ともない景色なんだと思い、改めて辺りを見渡す。



「音羽っていつもこんな景色見てるんだね」



少し羨ましいな、と小さく呟いてみると音羽は私の目線につられてバンド全体を見渡す。



「……そうか?変わらんだろ」



興味がないというよりは本当に分からないと言いたそうに楽譜の準備を始めてしまった。



















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