そるきゃ
□大嫌いな夕焼け
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教室の窓から橙の光が差し込む。
西日はとても眩しく、残酷に私に時間を知らせてくる。
楽しい時間というのは本当にあっという間。
大好きな音羽先輩との部活動の時間は今日も終わりを迎えようとしていた。
居残り練習をしていた私と音羽先輩はどちらからともなく楽器をケースにしまい始める。
「最近、どれだけ練習しても時間があっという間ですね」
「そうだな」
とても短い返事ではあるけれど、私はそれすらも嬉しく感じる。
会話がずっと続いている必要はない。
なんとなく他愛もない話をして、同じ時間を過ごす。
そんな小さな幸せが大好きだった。
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