短いおはなし

□F61
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みなさんこんにちは、愛です。私は高校3年生の受験生。ですが、私には受験よりも気になることがあるのです。それは…

61「おい、梅田!」

『げっ、先生…』

61「げっ、とはなんだ!先生泣いちゃうぞ!」

『いや、泣いてればいいじゃないですか』

61「男子のみんなー助けてー」

男1「おい愛そんなに、先生の事好きだからってからかうなよな〜(笑)」

男2「好きな子をからかいたくなる男子かよ(笑)」

『は?好きじゃないし!』

男1「照れんなって!(笑)」

『照れてない!』

61「梅田、そうだったのか…」

『あ、だから違いますって!』

61「あーわかったー!あ、チャイムなったな、よし号令頼む!」

『ボソボソ』

61「梅田!号令!」

『きりーつ…』

そう、私のクラスの担任である杉谷先生。この人は先生っていうか、生徒といった方が似合う気がする。前だって今みたいに男子生徒と一緒になって私をからかってきたり…まぁ、大体は中島先生が来て、杉谷先生を止めてくれるんだけど。それで、この杉谷先生が私の好きな人。この先生のせいで受験に対してまったくもって集中出来ないのです。どこが好きかって言われたら、恥ずかしくて言えないけど…とにかく、そんな先生が好きで好きで。私は基本的にどうでもいいことに関してはポーカーフェイスなのだけれど、私が先生を好きだということは学年全員にバレてるらしい。友達いわく、「愛の態度を見てたら猿だって気づくよ!まぁ、当の本人は気づいてないかもだけどねー」と言われた。それで…61「梅田っ!」

『うわぁっ!』

61「さっきから呼んでるんだけど。今から学校祭の出し物決めるから、学級長が中心となって決めてって言ったのに…」

『すんません』

61「はいはい、そしたらよろしくなー」

え、全部任せるんすか

『そしたら、案がある人は…』

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まあ、決まったものは定番中の定番、お化け屋敷だ。

『本当に反対意見はありませんか』

「「なーい」」

『本当にっ!?』

61「梅田ってそういうの無理なかんじ?」

『いやーそんなことはー』

女1「愛って昔お化けが怖くて、お化け屋敷に行っては泣いてたよねーそんなに怖いなら行かなければいいのにねー」

『それをいうな!』

61「(笑)」

『あーもう嫌だーあの、私は受け付けとかでもいいですか?』

61「いいよ(笑)」

『なら、お化け屋敷でもいいです』

61「よし、なら準備始めるぞ!」




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なんやかんやで、卒業まで約1ヶ月となった。あの時の学校祭のことは今でも忘れない。みんなの計らいで私と先生がお化け屋敷に2人で入るように言われて、入ったはいいものの、凄く怖く先生の前で泣いてしまい、とっさに抱きついてしまった。先生は笑って誤魔化していたけれど、私はその時恥ずかしくて死んでしまいそうだった。なんて、今になってはいい思い出なのかもしれない。私は結局告白出来ずにいた。そんな私を見かねてか、友達が私に話しかけてきた。

女1「ねぇ、愛」

『ん、何?』

女1「先生に告白しないの?」

『ぶふぉ』

飲み物を飲んでいる時にそんなことを言われ、思わず飲み物を吹き出してまった。

女1「ちょっと汚いー(笑)」

『誰のせいだとおもってるの!』

女1「はーいあたしでーす!で、話は戻るけど告白しないの?」

『するわけないでしょ』

女1「なーんでよ!先生も絶対愛のこと好きだってば!」

『そんなこと言われてもー』

無理なものは無理なんですよ、我が友よ…

女1「そしたらー私、今日日直なんだけど愛に仕事を預けて帰るわ!」

『What?』

女1「だから、鈍いわねーあんたも(笑)だから、日直は日誌と軽清掃があるでしょ?で、2人きりになったときに告白しなさい!」

『え、無理!』

女1「あんたに拒否権はないからね!もし、告白しなかったら…」

『しなかったら?』

女1「あ、これは告白しなかった後に言ったほうがいいかなー」

『ナニソレコワイ』

女1「でしょ?なら、告白しなさい!」

『うぅー』

と、言われ本当に告白しないとこの女は何をするかわからないから、めちゃくちゃ怖い。でも、それより告白という単語が私の頭の中でリピートする。そのせいで、午後の授業はろくに頭に入ってこなかった。
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