novel
□主将の気づかい
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澤村大地
「主将の気づかい」
マネージャーになった私は同じくマネージャーの清水先輩から、色々教えていただくため、少し早めに体育館へ来ていた。
「お、早いな」
後ろから声が聞こえ、振り返るとそこにいるのは澤村先輩と菅原先輩。
「お疲れ様ですっ」
「おーお疲れー」
「そんな堅くならなくても…」
緊張気味に挨拶した私に、菅原先輩は笑顔で答え、澤村先輩は苦笑いをしながら言う。
少し三人で歩いていると、菅原先輩が今思い出したかのように言う。
「そういえば、今日清水休みだ」
「えっ…?」
菅原先輩が言った言葉に耳を疑う。
「スガ、何で先にそれを言わないんだ。俺は聞いてない」
「ごめんごめん、すっかり忘れてたんだ、本当ごめん」
少し怒ったような表情になった澤村先輩に焦りながら菅原先輩は謝る。そんな2人を見て、
「じゃあ、誰に教えてもらえば…」
小さく呟いた。そんな私に澤村先輩が、
「とりあえず、ドリンクを作ってタイムとってもらえればいいし、あとは皆でフォローするから」
と言ってくれた。
菅原先輩も、心配しないでいいよと言ってくれた。
「すみません、ありがとうございますっ」
「じゃあ、ドリンクの作り方教えるから、ストレッチしてる間に作っといてもらえると嬉しいんだが、できるか?」
「はいっ!」
澤村先輩に教えてもらうことになり、三人で体育館の中へ入って行った。