novel
□守護神の敬語
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西谷 夕
「守護神の敬語」
私は今日から男子バレー部のマネージャー。
悩みに悩んで入っただけあって、まだ仕事も覚えてないのに楽しみにしている自分がいた。
体育館に入ると、
「あ!愛菜さんっ」
「今日も麗しいっ…!」
西谷先輩と、田中先輩が勢いよく私のところまで来ていきなり膝間づく
「あ、あの…お、お疲れ様です…」
引き気味に言うと、2人して目をキラキラさせながら私を見る。
「やめなさい」
そんな2人の後ろから清水先輩が現れ、2人の頭をぺちっと音をたてて叩いた。
「「っ…!!」」
2人は嬉しそうな顔をして後ろを向く。
「き、潔子さんっ…!」
清水先輩はそんな2人を軽く無視しながらも、私を手招く。
「コーチが呼んでる」
「あ、はいっ」
急いで近くに行くとそう言われて、周りを見てみると、ネット付近で澤村先輩と話をしているコーチを見つけて、小走りで近くに寄る。
「おお、お前バレー経験あんだって?」
「はいっ」
こちらに気づいたコーチがいきなり聞いてきたことに驚きながらも答える。
なんでそんなこと聞くんだろと思いながら不思議に思ってると、
「お前、サーブ何が得意だ?」
「え?えっと、一応無回転のサーブが得意です…」
「おお、ジャンプはしないフローターサーブか?」
「はい…」
「スパイクは?」
「打てますけど…」
「中学の頃のポジションは?」
「えっと、ws(ウイングスパイカー)です…」
「…よし、今日少しだけ練習入れるか?」
「え?」
「澤村の許可はとってるし、入れ」
どうやら私に拒否権はないみたいで、入部初日からなぜか男子バレー部の練習にはいることになった。