読み切りSS

□キスしてもいい?
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#グクヒムがオフィスでためらいながらも耳元で囁かれた。「キスしてもいい?」 お返事は? http://shindanmaker.com/150336
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夜のオフィス。ヨングクのいる1列分だけ明かりがついていて、他は暗くしんとしている。自分のキーボードを叩く音だけが響く。
周りに人がいない分、余計な仕事も降ってこないし、はかどるような気もしている。

がちゃりとドアが空く音がして、ドアの方を見ると、鞄を持ってヒムチャンが立っていた。
「ヨングク、今日も遅いね」
「お前もな」
ヒムチャンはヨングクの隣の席にどかっと座った。首元のネクタイを軽く緩めながら、
「何してるの」
「今週末の報告用の資料。ヒムチャンも今日は遅いな」
「俺は明日新しいお客さんのところに行く準備だよ」

ヒムチャンは頬杖をついてヨングクの方を見て、にっと笑った。
「お互い大変だな。でも、仕事中のヨングクさんカッコよくて素敵よ」
と言うと、おもむろに立ち上がって、少しためらいながらも耳元で
「ねえ、キスしてもいい?」
「バカ。こんなところで」
「ええ、俺はバカだから聞き分けの悪い子なの」
またヨングクに何かまっとうなことを言われる前に、ヨングクの唇に口づけした。
ついさっきまで仕事のことで頭がいっぱいだったのが、思考回路のスイッチが強制終了させられて、何も考えられなくなる。

「…バカ」
ヨングクは表情を変えずにぽつりと呟いた。
ヒムチャンはニコニコ笑って、
「はは、充電完了。お前今日まだ帰らないの。俺お腹すいたよ」
「…はいはい。もうこんなんじゃ今日は仕事にならないからな。帰るか」
俺は諦めてパソコンの電源を落とした。


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おしまい
 

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