お話W

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目の前に置かれた料理を見た途端グゥ、と鳴ったお腹にあぁ、くそお腹はホント正直だな。と思っていれば隣に腰かけた玉藻さんがクスクスと忍び笑いを零した。
まず私に聞こえてる時点で忍んでないけどね!!
笑うんじゃない!とか思っていれば、では食べましょうか、とグラスを差し出した玉藻さんにソレを受け取ればそこに注がれる琥珀色のお酒。
ワインじゃないんだ、珍しー、とか思っていればそれでは乾杯、とグラスを掲げた玉藻さんにカンパーイ!と声を上げてコン、とグラスをぶつける。
さて、お酒はあとにしてまずは玉藻さんの手料理から頂こうかなぁ、とグラスをテーブルに置けばトントン、と玉藻さんに肩を叩かれた。
「なん………っ?!!!ン〜!!!た……っ、ン……ぐっ……ゲホッ!!ゲホッ……、な……何すっ……!!!!!」
振り向いた瞬間塞がれた唇に、玉藻さんから逃げようとすればガシリ、と頭を押さえつけられた。
そのまま唇を割って入ってきた舌にもがいていればなんか口の中に押し込まれて咳き込んでしまったけど…………ホント急になんばしよっと?!!!!
ゲホゲホとむせながら口端から零れたソノ液体を拭っていれば再び玉藻さんの手が伸びて来た
ので全力で玉藻さんから後退する
「何故逃げるんです?」
「逃げるわ馬鹿っ!!!!急にな、な……何するんですか?!!っていうか何コレ?!喉が焼けそうなぐらい熱い………!!」
一瞬で熱を持った喉に、ジリジリと距離を詰めてくる玉藻さんか逃げるようにソファーから立ち上がれば腕を掴まれ引き戻された。
止めて!!ホント勘弁して……!!しかも今のが玉藻さんとの初チュ―とかシャレにならない……!!!!
ちょっと急すぎやしませんか?!!とか思っていれば再び固定される頭。しかも結構な力で掴まれているから逃げようにも逃げられないじゃないか……!!
ホント何なんだよ!!とか思っていればグラスに入っていたお酒を一口飲んだ玉藻さんがまた顔を近づけてきた。
さっきの液体ソレですか?!!!
待って!!と声を上げても尚も距離を詰めてくる玉藻さんに、その顔を必死に手で押し返していれば抵抗しないでください、なんて両手を掴まれた。
この状況で抵抗するなって方が無理だと思うですけど?!!
ドサリ、と倒れ込んだソファーの上に自分を見下ろす玉藻さんを見てギュッと目をつぶる。
あぁ、ダメだ……頭がクラクラするし玉藻さんイケメンだし爆死しそう……

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