純愛讃歌

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そしてあっという間にピッコロとの修行も半月が経った。
だいぶ受け身も取れるようになり、防がれてしまうがピッコロに攻撃を仕掛けるようになったブラックサンダーを見て悟飯は少し驚いたように瞬きをした。
自分達の体術の型を見よう見真似とはいえいつの間にか体得しているブラックサンダーに、やっぱりピッコロさんは凄いや、と感嘆の声を漏らした。
「やぁっ!!」
ペシン、と可愛らしい音を立ててピッコロの手のひらに打ちつけられた拳にまぁまぁか、と息を荒げるブラックサンダーを見下ろしたピッコロは再び自分に向かってきたブラックサンダーの襟首を掴み上げた。
突然のことに情けない声を漏らしたブラックサンダーは宙ぶらりんになった体に自分を掴むピッコロを不思議そうに見上げた。
「どう、したんです……?」
「組み手はこのぐらいにしてそろそろ本格的に貴様に武術を教える」
行くぞ、と言って宙に浮きあがったピッコロに、まだその浮遊感に慣れないのかブラックサンダーはピッコロの腕にしがみつくと隣を飛ぶ悟飯へと視線を向けた。
「ほ、本格的……?あれ?今までだってちょっとハード……」
だったような、と声を漏らしたブラックサンダーに悟飯は苦笑を洩らすとピッコロを見やった。
「僕がピッコロさんに武術を教えてもらった時は4歳でしたけど、強くなれ、って離島に一人放り出されましたよ」
アレは怖かったなぁ、としみじみと声を漏らした悟飯にえ゛?とピッコロを見やったブラックサンダーはクツリ、とどこか楽しげに喉を震わせた目の前の師匠を見やると諦めたように溜息を吐きだした。

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