お話V

□プロローグ
1ページ/1ページ

時に運命というものは無情なもので、ふとした瞬間に人生何が起こるか分からないものだ。
そう、例えば何気ない日常の中でも不慮の事故、というのは起こるものなんだなぁという事を今身を持って実感した。
アレ?さっき歩行者信号青だったはずなのに、なんでいつの間に赤に変わってるんだろう?とか、あぁ、歩きスマホはするなってTVでも良く言ってたな、とかそんな事を考える前にこの状況をなんとかしなければと思いつつ足はもう一歩も動かなかった。
けたたましいクラクションの音を鳴り響かせながら眼前に迫った大型トラックに、驚愕に目を見開くトラックのあんちゃんを見て、コレ完全私の過失だから死んでも気に病まないでください、とかあぁ、こんなことならせめて恋愛の一つぐらいまともにしときゃぁ良かったな、とか思いつつ私は次に来るであろう衝撃に耐えるように目を固く瞑った。
キキキィィィ!!!という急ブレーキをかける音と体に衝撃が走るのはほぼ同時で、まるで人形のようにポーンと投げ出された体に、耳に届いたグシャリ…、というあまり聞きたくない音を最後に私の意識はそこで途絶えた。



享年26歳ってあんまりじゃないか



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ