そして君に恋をする

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甲斐君と供に学校について下駄箱から靴を取り出す。
やはりここでも周りからの視線が気になった。
ジロジロト向けられる視線に顔を上げて視線の方向を向けば顔を逸らされた。
「えー……なんなんだよ……」
ササッ、と逸らされた顔に少なからずショックを受ける。
私そんなに第一印象悪かったのかなぁ……
「あー、そっか。ヤーは永四郎に啖呵きったんだったなぁ」
私に向けられる周りの視線に気付いたんだろう甲斐君はそう言いながら私の隣に並んだ。
啖呵を切った覚えはないんだけどなぁ……。
甲斐君にそう言われて、改めて周りを見てみれば「あの木手に…」という単語がちらほらと聞こえてくる。
『あの木手』と言う言葉がかなり引っかかるんですけどね……。
そして皆の言葉で思い出す、どんな顔して木手君に会えば良いんだろう……。
「うり、教室行くさぁ」
そう言って歩き出した甲斐君にその背を慌てて追いかけた。

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