純愛讃歌

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いつの間にか用意されていたフカフカの布団に、寝ましょうか、とさっさと布団に潜り込んだ悟飯を見やったブラックサンダーはおずおずと布団へと潜り込んだ。
「ねぇ……悟飯君。ホントに私がきてメーワクじゃなかったかな?」
「大丈夫ですよ。お母さんもあぁ言ってますけどとても優しい人ですから」
そうひどく不安げに漏らされた言葉に、ブラックサンダーを見やった悟飯はニッコリと笑みを浮かべた。
それに綺麗なお母さんだね、と顔を綻ばせたブラックサンダーはどこか嬉しそうに布団を握りしめた。
母を褒められたことに悟飯もどこか照れくさそうに笑みを浮かべるとゴロリ、と寝返りを打ってブラックサンダーへと向き直った。
「明日からきっともっとハードになりますから、ゆっくり寝てくださいね」
「うん、そうする」
あちこち痛む体に苦笑を洩らしたブラックサンダーはそう言って目を閉じた悟飯を見やると再びねぇ、と声を漏らした。
それに目を開けた悟飯は不思議そうにブラックサンダーを見やった。
「何で、悟飯君やピッコロさんは修行してるの……?」
強くなるため?と不思議そうに自分を見やったブラックサンダーに、少しだけ困ったように眉を下げた悟飯はう〜ん、と声を漏らすと天井を見上げた。
「今から3年後に、とても強い敵が現れるらしくて……。それで今ボク達はその敵を倒すために修行をしてるんです」
「3年後……?なんでそんなことわかるの?」
そう言って目をパチクリとさせたブラックサンダーに、苦笑を洩らした悟飯はブラックサンダーへと向き直る。
「にわかに信じがたい話ですが、未来から来た男の人がそう言ったんです。
『3年後の5月12日午前10時ごろに西の都にとてつもなく強い敵が現れる』って」
そう言ってどこか真剣な表情を浮かべた悟飯に真実味があるね、と声を漏らしたブラックサンダーはう〜ん、と考えるように天井を見やった。
「私も、3年間修行してその敵と戦うのかな……?」
「良くは分かりませんが、きっとピッコロさんはそのつもりなんでしょうね」
ひどく不思議そうに零された言葉に、同じように天井を見上げた悟飯はどこか楽しそうだったピッコロを思い出すと苦笑を洩らした。
それに再びう〜ん、と声を漏らしたブラックサンダーは私でも強くなれるかな?と不安げに声を漏らすとソッと目を閉じた。
すぐに聞えてきた寝息に、ブラックサンダーへと視線を戻した悟飯はスゥスゥと眠るブラックサンダーを見やると苦笑を漏らして布団に丸まった。
「なれますよ、きっと」
だって師匠はピッコロさんですから、と小さく漏らした悟飯もすぐに眠りに落ちていった。

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