純愛讃歌

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ピッコロに手を引かれやってきた場所は少し入り組んだ森の中の小川だった。
そよそよと気持ちの良い風が吹くその場所に、小川を見やったブラックサンダーは足を止めたピッコロを不思議そうに見上げた。
「まずはそのボロ雑巾のような格好をなんとかしろ」
「う、わっ?!」
そう言って有無を言わせず小川へとブラックサンダーを放り込んだピッコロに悟飯からピッコロさん!?と抗議の声が上がった。
バシャン!と上がった水しぶきに、尻餅をついて全身ずぶ濡れになったブラックサンダーはひどく呆けたように、自分を見下ろすピッコロを見やった。
「あ、相手は女の子なんですよ?!」
そう言って大丈夫ですか?と道着が濡れるのもお構いしにブラックサンダーの手を引いて立ちあがらせた悟飯に、ブラックサンダーはパチクリと瞬きをするとふふ、と笑みを零した。
「水が冷たくて気持ち良い!」
そう言ってバシャバシャと顔を洗い始めたブラックサンダーに今度は悟飯がポカリとそんなブラックサンダーを見やった。
泣くわけでも、怖がるわけでもなくただただ楽しげに水浴びをするブラックサンダーに、そんなブラックサンダーを見やったピッコロは小さく口元に笑みを浮かべた。

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