千年歌

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ヒラヒラと風に舞って落ちてきた桜の花びらに上を見上げた紫苑は通り一面に咲く桜の木を見やるとふと表情を緩めた。
随分寒さも和らいで暖かい陽気になってきた季節に、もう春じゃなぁ、と声を漏らした紫苑は空からチラチラと降ってきた白い塊を見やるとはた、と目を瞬かせた。
「また……随分と季節外れじゃな……」
桜に混じって空から降ってくる雪に、手の平に落ちて溶けていくソレを見やった紫苑は学校の校門をくぐると同じように突然降りだした雪に困惑する生徒達を見やり職員室へと足を向けた。

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