彼と私の航海日誌

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ピピピ、と鳴り響く目覚まし時計の音で目を覚ました私はいつものように朝食を作るべくキッチンへと立った。
二人分の朝ご飯を用意してゲストルームへと向かいそこのドアをノックする。
コンコン、とドアをノックしてみるけれどやっぱり中から返事はない。
入りますよー、と小さく声だけかけて扉をそっと開いて中を覗きこむ。
いつものように掛け布団をベッドの下に蹴り落としたマルコさんは、小さく声を漏らすとゴロリと寝返りを打った。
相変わらず凄い寝相だ……。
鳥騒動も収まり次の日にはファンキーなオジサンに戻っていたマルコさんに、おはよぃ、と声をかけたマルコさんを見てちょっと残念だな、と思ったのは目の前で気持ちよさそうに眠るマルコさんには内緒だ。
「マルコさーん、おはようございまーす」
起こすのもちょっと忍びないけれどとりあえず、と一声かけてみるけど返ってきたのは生返事。
う〜ん、と声を漏らしたマルコさんはまだ夢の中なのかもう一度ゴロリ、と寝返りを打った。
露わになったその胸の刺青に、上半身裸で眠るこの格好のマルコさんにもだいぶ慣れたな、と思いながら落ちた布団をお腹辺りにかけてあげてそっと部屋を後にする。

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