彼と私の航海日誌

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 −−−ピピピ ピピピ ピピピ

部屋に鳴り響いた目覚まし時計の音にパチリと目を覚まし頭の上で起床を知らせる目覚まし時計を止めベッドから起き上がる。
二度寝をしても十分間に合う時間だけどきっと二度寝したらお昼まで起きないんだろうな、と思いながら閉ざされたゲストルームを見やった私はそのままキッチンへと向かった。






二人分の朝ご飯を準備して着替えを済ませた私はゲストルームへと向かった。

ノックを三回、返事はない。

「マルコさーん……?朝ですよー」
そうちょっと遠慮気味に声をかけ扉を少し開けて中を覗きこむと、布団を蹴散らしてベッドで寝息を立てるファンキーなオジサンの姿があった。
最近ではもう慣れたけどホント凄い寝相だな、この人。
部屋の中へ入ってベッドの下に蹴り落とされた布団を拾い上げる。
上半身裸で寝るこの人はそれでも暑いらしく布団を毎度のことながら蹴り落とすようだ。
かけた声に小さく声を漏らして寝返りを打ったマルコさんの体に布団を掛け直す。
露わになった胸元には十字架に逆さの三日月を模した刺青。

2週間ぐらい前に突然部屋に現れたこの人はどうやらこの世界の人間ではないらしい。
マルコさん曰く『白ひげ海賊団』と言う海賊団の『一番隊隊長』さんらしい。

家に帰ってきたら知らないオッサンが部屋の中を物色していた時には流石に警察を呼ぼうかと思ったけど……。
「私仕事行くんでちゃんとご飯食べてくださいねー」
寝返りを打っただけで再び寝息を立て始めたマルコさんにそう一声かけ小さく溜息をついた私はゲストルームを後にした。

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