金色猫とタンゴ

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随分と寒くなった夜の空気にバイトを終え家まで帰ってきた幸は、灯りの灯っていない窓を見やると一つ息を吐きだし玄関の扉へと手を伸ばした。
すんなりと開いた扉に、鍵もかかっていない扉に不用心だ、と小さく舌打ちを零した幸は今日はどこかに飲みに出掛けたのか物音一つしない家の中を見やると靴を脱ぎリビングへと歩き出した。

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