そして君に恋をする

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目が覚めて時計を見るともう昼休みだった。
隣の席を見ても楓の姿はない。
教室をグルッと見渡してみたが居る様子はなくいつも立てかけているテニスバッグがないから壁打ちでもしに行ったんだろうな、と思う。
俺はグッと伸びをすると一つ欠伸を漏らす。
暇さぁ……。
楓もいないし永四郎もどっか行ってるしよぉ……。
最近練習量を増やしたから授業中に疲れがくることが多い。
気づかないうちに寝こけてたりするとその授業の終わりに楓は永四郎に見つからないようにノートを見せてくれたりして。
その優しさが嬉しいんやさぁ。
そんなことを考えていると別の教室から寛君と慧君がやってくる。
そんであぃ?木手は?と俺に聞いてくる。
知らねぇさぁ、と答えると少し困ったように頭をかく。
「ぬーがらあいびーたんのか?」
「いや、ちゅーぬ部活、委員会で遅れるって伝えたかったんさー」
いないなら仕方ないかと言って正面の席に腰掛ける寛君と慧君。
どうやらダベっていくらしい。
丁度ワンも暇やっしゆたさんか。

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