そして君に恋をする

□12
1ページ/4ページ

あれから何週間か過ぎて裕次郎、凛、永四郎は普通に名前を呼べるようになった。
でも慧君とか寛君は君付けのまま固定された。ってか、大半がタニシとかチィネってあだ名になったりするんだけど。
そして只今国語の授業中。
先生の訛りが激しすぎて半分挫折状態だ
なんとか黒板に書かれていく文字だけを書き写す。
「…………ふっ、イジメだろこれ」
「早く慣れなさいよ」
思わず漏れてしまった苦言にすかさず永四郎からの厳しいお言葉がかかる。
分かってるけどさ、と答えるとそこが違ってると指摘される。
ノートと黒板を見比べ書き直す。
「そう言えば……永四郎は殆ど標準語だね」
ホント今更だけど永四郎は大抵話すときは標準語だったりする。
まぁ訛りは入ってはいるけれど。
裕次郎や凛はうちなーぐちが入るのに。
「うちなーぐちだとアンタ分からないでしょうが」
溜息をつきながらそう答える永四郎。
あ、なんかちょっと嬉しいぞ。
「ありがとう、永四郎ってけっこう優しいんだね」
そう言えば永四郎は言葉を詰まらせると顔を背けた。
もしかして照れてるのか?
(わざわざ説明するのが面倒くさいだけなんですがね……)

次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ