そして君に恋をする

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男子テニス部のマネージャーを始めてやっと3週間ぐらいが経った。
最初のうちはやっぱり練習内容もマネージャーの仕事も青学と大分違っていて戸惑っていたけど今ではそれなりにこなせるようになった。
まぁマネージャーやります、って早乙女監督に言ったときはものすっごい嫌そうな顔をされたけどね。
今でもちょっと慣れないのがこの拷問のようなトレーニング。
今は練習形式の試合が終わってすぐの校庭30週。
まだ30週でマシなほうだ。
前なんか凛君のちょっとした私語で校庭80週を連帯責任でやらされていたからな。
でも試合直後のマラソンって……過酷だなぁ比嘉中……。
そんなことを考えながらゴールで長机を出してきて沖縄風『シークワーサースポーツドリンク』とタオルを用意する。
私の勝手な提案で作った『シークワーサースポーツドリンク』
駄目もとで試飲してもらったら意外と好評でそのままスポーツドリンクとして活用している。
田仁志君のことも考えていつも余るんじゃないこれ?ってぐらいの量のスポーツドリンクを用意する。
いつも綺麗に空にしてくれるけど、田仁志君が。
そろそろトップが着くころかなぁなんて思っていたら校舎の角から木手君が走ってくるのが見えた。
トップは木手君か…、なんて思っているとその後ろをかなり必死なご様子で走る裕次郎君と凛君。
また木手君と競ってるのかな?なんてことを思っていると木手君が堂々の1位を勝ち取った。
続いて裕次郎君、凛君の順番で到着する。
木手君はさほど息を乱さずタオルを肩にかけると用意されていたコップに口をつける。
裕次郎君と凛君はというとゼーハー言いながら肩で息を切らしていた。
「すぐに座らないようにね」
そう言って二人の肩にタオルをかけるとコップを渡す。
「「にーふぇーでーびる……」」
何とか息を整えた二人はドリンクを一気に飲み干すと汗を拭った。
「また負けたさぁ…….」
「永四郎はひさ()が速いからやぁ…」
そう言いつつ2杯目をお代わりしている木手君を見る二人。
「二人とも、あとでゴーヤー汁ですね」
あぁ、今回はゴーヤー汁を賭けていたんだ。
この前はゴーヤーチップスだったかな?
でも結局木手君は勝とうが負けようがゴーヤー好きだから意味ない気がする。
そう言った木手君に二人は顔を真っ青にさせていた。

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