純愛讃歌

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今日も今日とてピッコロと修行をしていたブラックサンダーは先程から執拗に横腹を狙ってくるピッコロに、大きくピッコロから飛び退いた。
「ちょっと、ピッコロさん!組み手になんない!」
「何のことだ」
そう抗議の声をあげたブラックサンダーにピッコロはシラッと言葉を返すと再びブラックサンダーへと殴りかかった。
かなりの勢いで放たれた拳に、それを寸でのところで受け止めたブラックサンダーは軽く吹き飛ばされると地面へと着地する。
(この人絶対昨日のこと根に持ってるよっ!!)
マントとターバンまで外して攻撃を仕掛けてくるピッコロにクソッ、と悪態をついたブラックサンダーは構えを取り直すとピッコロへと飛びかかった。
繰り出された拳を難なくいなしたピッコロに、掠りもしなかったソレに小さく舌打ちを零したブラックサンダーは苦し紛れにピッコロへと手を伸ばした。
「おっと」
伸びてきた手を身を屈めて避けたピッコロは掴まれた触角に小さく息を詰まらせた。
「え……?」
ベシャリ、と地面へと尻餅をついたピッコロに触角から手を離したブラックサンダーは呆けたようにそんなピッコロを見下ろした。
「え?師匠……まさかソコも弱い、とか……」
「だったらなんだ」
ヘェ、とどこか楽しげに声を漏らしたブラックサンダーに、ピッコロは苛立たしげにそう声を漏らすと態勢を立て直した。
小さく零された舌打ちに、ピョコン、と跳ねる触角を見やったブラックサンダーは再びヘェェェ、と意味深な声を漏らした。
「ピコさん、触角隠すためにターバンしてたんじゃなくて、触られないようにターバンしてたんだ」
「だったら、なんだ……?」
ニマニマと笑みを浮かべたブラックサンダーに、再び触角へと手を伸ばしたブラックサンダーの手を掴んだピッコロは額に青筋を浮かべるとブラックサンダーを見下ろした。
ひどく苛立ったピッコロに、ブラックサンダーは冷や汗を流すと掴まれた腕を必死に振り解こうと腕を振る。
「そう二度も三度も触らせると思うなよっ……!」
「ギャーっ!!まだ何もやってない!!」
そう言って至近距離で気功波を放とうとしたピッコロに、ブラックサンダーは慌てたようにピッコロの腕から逃れると脱兎の勢いで空へと逃亡した。
「逃がすかっ!!」
そのあとを追いかけるように空へと舞い上がったピッコロの顔は至極楽しそうで、そんなピッコロを見やったブラックサンダーは顔を引きつらせるともうしません!!と半ベソをかきながら声を上げた。



きっとそれでも敵わない


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