純愛讃歌

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「〜〜♪〜〜〜♪」
一日の修行も終わり、夕飯を食べ終わったブラックサンダーは散歩ついでに、と森の中を木の実を集めながら歩いていた。
今日珍しく組み手の最中にピッコロが自分を褒めてくれたことがよほど嬉しかったんだろう、フンフン♪と口笛を鳴らしながら歩くブラックサンダーは上機嫌だった。
少し高い位置になっている木イチゴに手を伸ばそうと背伸びをしたブラックサンダーは後方から聞こえてきたガサガサッ!!と言う音に肩をビクつかせた。
「な、なに……?!!」
ドスン!!と地面に何かが落ちる音に後ろを振り返ったブラックサンダーは見慣れたマントにキョトリ、と目を瞬かせた。
「ピッコロさん、何してるんですか……?」
きっと木の上から落ちてきたんだろう、所々に葉っぱをつけたピッコロに、ヨロリと立ち上がったピッコロを見上げたブラックサンダーは不思議そうに小首を傾げた。
「なんでもない」
それにブラックサンダーから視線を逸らしたピッコロはそう言葉を返すと額に手を当てた。
どこか眉を顰めて気分が悪そうにするピッコロに、どうしたんだろう?と首を傾げたブラックサンダーは手にしていた果実を一つ手に取った。
「気分でも悪いんですか?」
食べます?とリンゴを差し出したブラックサンダーに、それを受け取ったピッコロは何か言いたげにブラックサンダーを見下ろした。
眉間に皺を寄せ自分を見下ろすピッコロに、ブラックサンダーは再び小首を傾げるとなんですか?と声を漏らした。
「………………なんでもない」
「その間が凄く気になる」
そう言って小さく溜息を吐きだしたピッコロに、リンゴへと齧りついたピッコロを見やったブラックサンダーは怪しい、と声を漏らすとジッとピッコロを見上げた。
訝しげに向けられる視線にそんなブラックサンダーから顔を背けたピッコロはリンゴを食べ終わるとグシャリ、と少し乱暴にブラックサンダーの頭を撫でつけた。
「ぅあ?!」
「遊んでいる暇があるならさっさと寝ろ」
そう言って空へと消えて行ったピッコロに、なんなんだ?と首を傾げたブラックサンダーはいっぱい集まった木の実を見やると孫家へ帰るため来た道を戻り始めた。

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