純愛讃歌

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「次で、勝負がつくな」
徐々に膨らみ始めた二人の気に、そう声を漏らした悟空はどこか生き生きとしていて、そんな悟空を一瞥したピッコロも小さく口元に笑みを浮かべると向かい合う二人へと視線を戻した。

「「かーめーはーめー波ァァァァァァっ!!!」」

同時に放ったかめはめ波に、全く同じ力でぶつかり合うそれ。
グググッ、と前進と後退をする気弾に小さく眉をひそめたブラックサンダーは一段と膨れ上がった悟飯の気に小さく目を見開くとハハ…、と苦笑を洩らした。
「やっぱ、敵わないなぁ……」
「ハァ−−−−っ!!!」
一気に増大した気弾に、押し返されたソレを見やったブラックサンダーはソレを寸でのところで避けるとゆるゆると下へと降りて行く。
「参りました」
そう言って同じように降りてきた悟飯を見やったブラックサンダーに、どこか困ったように笑みを浮かべた悟飯はありがとうございました。と頭を下げるとブラックサンダーへと手を差し出した。
その手を取って軽く握手を交わしたブラックサンダーは黙ってそれを眺めていたピッコロへと歩き出す。
「あー……、負けちゃいました」
「まぁ、良いだろう」
予想はしていた。と言ったピッコロに少し不貞腐れた表情を浮かべたブラックサンダーは、それでも頭を撫でたピッコロにふふ、と笑みを零した。
ポンポン、と頭を撫でるピッコロになぁ、と声をかけてきた悟空を不思議そうに見やったブラックサンダーはどこか目を輝かせる悟空を見るとソッと、悟空から距離を置いた。
「オラともやろうぜ!!オメーすんげぇ強くなったなぁ!!」
そう言って喜々とした表情を浮かべた悟空にブラックサンダーは慌てたようにピッコロの背へと逃げ込んだ。
「む、無茶言わないでくださいよ!!悟飯君相手でいっぱいいっぱいだったのに!!」
「えー、なんだよケチだなー」
少しぐらい良いだろー?とそんなブラックサンダーを追いかけはじめた悟空に、そんな悟空から逃げるように走り出したブラックサンダー。
「もう少しで、負けるところでした」
ピッコロの所へとやってきた悟飯はそんな二人を見やるとどこか楽しげにピッコロを見上げた。
そう言った悟飯に、ピッコロも悟飯を見下ろすとクツリと喉を震わせた。
「まだまだ強くなるぞ、アイツは」
そう言ってどこか楽しげにブラックサンダーを見やったピッコロに、悟飯は悟空に追いかけられるブラックサンダーへと視線を戻すとはい、と楽しげに頷いて見せた。

「なー、ちびっと、ちびっとで良いからやろーぜー?」
「ホント勘弁してください!!」


一年の成果


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