純愛讃歌

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「ルールはどうします?」
「相手に参った、と言わせた方が勝ちだ」
そう言って準備体操を始めたブラックサンダーに、どこかやる気のあるブラックサンダーを見やった悟空と悟飯は不思議そうに顔を見合わせた。
そう言って腕を組み自分を見下ろしたピッコロにブラックサンダーは、負けるのは目に見えてるけどね、と小さく苦笑を洩らすと悟飯の前へと歩み出た。
「気功波の類はやめた方が良いですか?」
「いや、どんどん使ってくれて構わん」
「ちょ、ピコさんやめようよそういうの!!私死ぬでしょ?!」
そう言って同じように体をほぐし始めた悟飯に、ブラックサンダーはちょっと、と顔を引きつらせるとピッコロを振り返った。
死ぬなよ、とひどく楽しげに口元に笑みを浮かべた師匠に、ブラックサンダーは小さく舌打ちを零すと悟飯に向き直り手を合わせた。
「お手柔らかにお願いします」
「はい!宜しくお願いします」
そう言って同じように手を合わせた悟飯と同時に構えを取ったブラックサンダーは先手必勝とばかりに悟飯へと飛びかかった。
「やぁっ!!」
「ッ!!」
繰り出された足に、それを腕でガードした悟飯は随分と威力の増したそれに小さく目を見開いた。
次いで飛んできた拳を軽くかわして手をかざした悟飯に、ブラックサンダーはすぐに身を引くと後ろへと大きく後退する。
ボゥン!!と地面を抉った気功波に、再び悟飯へと飛びかかったブラックサンダーは手を腰に構えるとそのまま気功波を至近距離で悟飯へと放った。
「ゥッ!!」
至近距離で爆発したそれに、小さく声を漏らした悟飯はブラックサンダーから大きく飛び退いた。
クルクルと回転して着地を決めた悟飯に、浅かったか…、と少し不満げに声を漏らしたブラックサンダーはひどく驚いた表情を浮かべる悟飯へと再び飛びかかる。
休むことなく繰り出される攻撃に、それをかわしていた悟飯は一瞬気を増幅させるとブラックサンダーへと重い一発を繰り出した。
「クッ……!!」
ソレを寸でのところでガードしたブラックサンダーは二発目を構えた悟飯に大きく悟飯から距離を取る。





「おっでれぇたなー!!ブラックサンダーのヤツ1年で随分強くなったじゃねぇか!」
攻防を繰り返す悟飯とブラックサンダーに、怯むことなく悟飯に攻撃をしかけるブラックサンダーを見やった悟空は、一年前とは見違えるほどに動きのよくなったブラックサンダーに感嘆の声を漏らした。
そう言った悟空に、同じように手合いを見ていたピッコロは悟空を一瞥するとどこか誇らしげに鼻を鳴らした。

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