ポケモン不思議のダンジョン

□探検五日目
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たしかあの映像では、トゲトゲ山の奥のほうだった。
あと少しでそこに付く。

「……リヒト。何でトゲトゲ山なんかに?」

レインが吹雪を繰り出しながら問うた。
レインに目眩が起きた時に見た映像を説明する。

「えぇっ!? ほ、本当に?」

こくり、と頷くと、突然、レインが走りだした。
自分もレインの後を追う。

「リヒト、急ごう!」

走るペースを速めて、奥まで急いだ。

奥に着く。
そこには、あの映像通り、男と、男の子がいた。
小さな穴に男の子を入れようと脅している。

「……リヒト、どうしよう、ちょっと怖くなって来ちゃった……」

そんなことを言うレインに、大丈夫だ、と声をかけてやると、安心したようで、頑張ろう、と意気込んでいた。

「お、おい! ……そこのでっかい男!」
「げっ、なんでお前たちがっ!」

そんなことを男が言っているうちに、電気を溜める。
後ろに回り、技を繰り出す。

「……かみなり!」
「ぐぁっ!?」

いきなり電気を浴びせられてびっくりしたようだ。
男が怯んでいる間に、レインがうずしおを男に浴びせた。

「っ!?」

いきなりの強攻撃に男は倒れ、降参の旗を上げた。

「おい、この変態」
「変態だと!?」

変態という言葉に強く反応する男。

「そうだ、変態だ。何せ、こんなに小さい子供を誘拐するなんてな」

そう言うとレインは少し考え、ハッ、と思い出したように手をぽん、とぶつけた。

「……いわゆるショタコンだね」

引き気味にレインが言うと、男が殴りかかろうとするが、僕の殺気に気づいたらしく、さっ、と体型を戻した。

「す、スリーパーさん、しょたこんって……?」

今まで見ていた男の子が、男――スリーパーに問うた。
これくらいの年の男の子が知っていいものか、いや、いけない。
その考えはスリーパーも同じだったようで、男の子の気をうまく逸らした。

「ルリリー!」

男の子のお兄ちゃんのような子どもと、謎の機械のようなものがこちらに近づいてくる。

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