LONG
□ep14
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家に向かうまでの間、トビオくんはやっぱり…とか、でも…とかそんな言葉を続けていたが、わたしはそんな彼に微笑み返すだけで、有無を言わせなかった。
何度も訪れているはずの玄関ですでに硬直している彼の手をそっと引いて、家の中に招き入れる。
「お腹空いてる?」
「はい」
「何か作ろっか。…あ、でもお家にご飯用意してあるかな?」
「大丈夫です。全部食べるんで」
肩から下げたエナメルバッグをリビングのソファに置きながら、トビオくんはきょろきょろと落ち着かない様子。
わたしはそんな彼の姿がなんだか可愛くて、ばれないように笑った。
夕飯を用意するといっても、冷蔵庫にあるもので作ったあり合わせ。
それでも、おいしいですとすごい勢いで平らげてくれる彼が愛しかった。
「部屋、行こっか」
「…はい」
彼の手を引いて階段を上がり、わたしの部屋へ。
扉を閉めると同時に、壁に身体を押し付けられ少し力の入ったキスが降ってくる。
「俺…もう我慢できないすよ」
「うん…」
「…っ!」
わたしはベッドの端に腰掛け、制服のジャケットを脱ぐ。
それをソファに置けば、私の動作を見計らったかのように肩を押された。
わたしの両手を握るようにして覆いかぶさると、再びキス。
初めは優しい触れるだけのキスをして。
彼の舌が唇に触れるのを感じて少しだけ口を開いた。
箍が外れたかのように一気に侵入してきた彼の舌に口内を犯されながら、自分の身体が熱を帯びてくるのを感じた。
「なまえさんの身体、熱いですね」
「…トビオくんも熱いよ?」
そんな言葉を交わしているうちに、シャツのボタンがすべて外され下着があらわになっていた。
なんだか妙に手際が良くて驚いたが、そんなことはもうどうでもいい。
首筋に顔をうずめる彼の息がわたしを刺激する。
チュッとリップ音を立てながら、鎖骨、胸へと徐々に下がってくる。
「んぁ…っ」
2つの膨らみを揉みしだく彼の手がひんやり冷たくて、それがわたしの下半身を疼かせた。
ブラのホックを外すことなく、カップを上に上げられた状態で、先ほどまでわたしの口内を犯していたそれが突先をチロチロと行き来する。
「やぁ…それ、だめっ…」
「これ、好きなんですか?」
「ん!あぁ…っ!」
トビオくんが喋るたび、彼の吐息がわたしをさらに刺激して、敏感に反応させる。
気持ちよさにそのまま溺れたいという感情と、わたしも彼に何かしてあげたいという感情が交錯。
わたしは彼の腰に触れ、そのまま下半身へと手を伸ばした。
そこには、しっかりと主張するものがあり、そっと触れればトビオくんが小さく声を漏らす。
「なまえさん、ストップ。俺…なまえさんに触られたらすぐ…」
「わたしもトビオくんを気持ちよくしたいよ…」
「今日は、俺が…。だから、大人しくしててください」
その言葉と同時に胸をまさぐっていた手とは反対の手が、ショーツのクロッチ部分をまさぐる。
「ふっ、あっ…!」
「グチョグチョですね」
言葉の通り、トビオくんが指を少し動かすだけでクチュヌチュと淫靡な音が部屋に響く。
あまりの快感に意識を手放しそうになっていると、いつの間にかショーツが横にずらされ直に彼の指がわたしに触れた。
「んあぁああ、やぁ!ダ、メ…っ!」
クリトリスを親指で押され、足の先までビリビリとした感覚に襲われる。
「なまえさん…」
「さん付けなんて、やだっ…」
「なまえ…っ」
グチュっと大きな音を立てて、わたしの中に侵入してきた指にアッサリとイカされてしまった。
「入れますよ」
「ん」
その瞬間、ググッと確かな質量を中で感じる。
膜越しでも彼の熱が伝わった。
「飛雄…っ、好きだよ」
「俺もです」
まるでそれが合図であったかのように、彼の容赦ないピストンがわたしの中をかき乱す。
グチュグチュとゴムを覆う液体にしては明らかに多い水音が結合部から漏れていた。
「も、だめ…イっ、イっちゃ…」
「俺も…」
「あ、っ…イく!」
「ん、っ!」
ドクドクと膣内で脈打つものを感じながら、わたしは意識を手放した。
「…なまえさん、なまえさん。」
「ん、あ…ごめん…」
「大丈夫ですか?」
「うん。」
私どれくらい寝てた?とトビオくんに尋ねると、10分くらいですよと返事が来た。
「なにかありました?」
「どうして?」
「今日はいつもと様子が…」
徹に告白された、なんて言えるわけない。
わたしはトビオくんの胸に顔を擦り寄せて、何もないよと笑った。
(2015.01.06.)