公安課

□ALISON
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郊外の小高い丘に車を止めて、助手席にいる彼女を見つめると、綾は俺を見つめ返して微笑んだ。


「運転お疲れ様です、後藤さん」
「いや・・・」


こうして逢うのは10日振りだ。
次に逢った時に話そうと思っていた事が零れていき、うまく言葉にならない。



車の外へと促し、人気のない公園を歩いた。


「寒くないか?」
「大丈夫ですよ・・・」


立ち止まった綾は「わぁっ!」嬉しそうに声を上げて俺を見上げた。
「ここですね、後藤さんが見せたいって言っていた場所は」
「あぁ」
「すっごく綺麗です!今まで見た景色で一番です!!」


足元に広がるキラキラと広がるイルミネーション。それと車のライトが季節外れの天の川のようにも見える。


「・・・後藤さん?」
「ん?」
「何だか今日、口数が少ないような気がして・・・」
大きな瞳に心配そうな色が落ちる。


いけない、らしくもなく緊張しているのかもしれないな。


そんな自分がおかしくて、思わず目を閉じて小さく息を吐いた。


「・・・悪い・・・ちょっと緊張しているようだ」
「え・・・?」


何の事か判らないと言った様に小首を傾げる綾をコートの中へと引き寄せて、後ろから抱き締める。


長い髪を纏めて、耳元に口付ける。


「・・・っ」


驚いて小さく声を上げた綾の首に、そっとネックレスを付けた。細い鎖でうまく付けられるか内心冷や冷やしたのだが、うまく取り付けられてほっとした。

ピンクゴールドで雫をモチーフにしたものだ。優しい色合いと柔らかな形が彼女に似合うと思ったのだが・・・


「・・・後藤さん・・・」


それに気付いた綾は「ありがとうございます」と声を震わせた。


「本当に嬉しい・・・ず〜〜〜っと大切にしますね」
「・・・気に入ってもらえたのか?」
「勿論です!後藤さん、今日は喜ばせすぎです!」


夜風で少し冷えた顎に手をかけて、そっと口付ける。


「Merry Christmas」

と、囁きながら。


2014.12.24UP




                                                                        
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