警護課

□endless dream
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夕暮れが広がる浜辺。頬を撫でる風がちょっと冷たくなってきた。


官邸に詰めっぱなしだから、少しだけ息抜きに・・・と、連れてきてもらった海。何を話す訳ではなく、ゆっくりと砂浜を歩いている。




あぁ、綺麗だなぁ・・・




海の向こうに沈みゆく太陽をぼんやりと見ながら歩いていると、砂に足を取られそうになりちょっと体勢を崩した。


「ったく、あぶね〜な〜」


肩を抱かれるように支えられる。
「・・・ん、ごめん」
体勢を立て直すと、すっと離れてしまう腕。
「んな表情すんな・・・ほら」
と、手を繋いでくれた。繋いだ手の平に心臓が移ってしまったのではないかって位、ドキドキしている。



そっと見上げる海司の顔。




大人っぽくなった。そうだよね。久しぶりに逢った時に気が付かなかった位だもん。




「お〜、何か寒くなってきた。帰るか?」
「・・・うん・・・」
「どうした?」
「ううん・・・ありがと、海司」
「大した事してねぇよ・・・」
ぶっきらぼうな小さい呟きに、胸が痛くなる。



前に桂木さんが言っていた「メンタルケアもSPの仕事の一つ」

やっぱり、これもそうなのかな?



不意に伸びてきた大きな手が、子供でもあやす様にぽんぽん、と乗せられた。


「俺の前で我慢すんじゃね〜よ」
「ん・・・」
返事をしようとした声が、好きで濡れてしまった。
「ごめっ・・・」
「謝る事何もしてねぇだろ。色々あったんだから・・・」
言いながら、くしゃくしゃと髪を掻き混ぜるように撫でてくれた。
「もぅっ!髪がくしゃくしゃになっちゃうよ」
涙交じりの笑いに、海司が目を細めて微笑んだ。
「やっと笑ったな」
あぁ、小さい頃と変わらない海司の笑顔だ。



ねぇ、知ってた?あの頃からずぅっと海司の事が大好きなんだよ?




「色々さ・・・」
「ん?」
「片付いたら、今度はゆっくり来ような」
「・・・うん」



近いのか遠いのか・・・
いつか伝えられる時が来る、その時まではこのままで・・・



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