死神の夢で会いましょう…

□不思議な少女
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真波 「なるほどな…それで観覧車が危ないって分かったのか」


女の子 「はい」



芽愛 「ところで…仕事は片付いたのか?」


真波は私のこの言葉を聞いて、みるみるうちに、顔が歪んでいく


真波 「あぁ!!お前が放棄した仕事を!!片付けてから来たよ!腹立つ!!」


芽愛 「そう怒るなw今度なんか奢ってやるからw」


女の子 「仕事って?魂の回収とかですか?」


芽愛 「うん?あぁ…いつもならね?」


女の子は不思議そうな顔でをしている。他にすることがあるのか?とでも言いたいような顔だ。


真波 「普通の事故なら、人間を助けるような事はしないんだがな…化け物が関わってくるとなると、話は別だ」


女の子 「化け物が関わると、たすけなきゃいけないんですか?」


女の子はまだ理解出来ないようだった。これ以上幼い女の子に説明しても、分かるはずもない。



芽愛 「まぁ、簡単に言うとだな、化け物のせいで死にそうな人だけ、助けてあげるんだ」


私の言葉を聞いて、急に明るい顔を浮かべる女の子。



女の子 「スーパーヒーローみたいですね!」


真波 「スーパーヒーローって、どうなんだ?人間の考える事は理解出来ないな…」


確かに、化け物さえいなければ、人間の命をただ奪い、淡々と次の人間の命を奪う者をスーパーヒーローとは普通は言わないだろう。


真波 「まぁいい…そろそろ戻るぞ」


芽愛 「そうだな…帰るか…」


女の子 「もう帰るんですか!?」


芽愛 「仕事が終わったら、ここにいる意味はないからな…」


女の子 「意味さえあればここにいてくれるんですか?」


真波 「まぁ、意味さえあればな…」


芽愛 「じゃあな、元気でやれよ」


真波 「フフフフ、人間と初めて話せて楽しかったぞ?またな?」


真波と私にそういわれて、あからさまに不満そうな顔をしている女の子。きっと、帰って欲しくないのだろう。


女の子 「あ、あります!!ここにいる意味!!」


女の子が帰ろうとする私達に、叫ぶように言う。そのせいで、周りの人間は女の子を変な目で見ている。
私達の姿は、普通の人間は見えない、当たり前の反応だろうな。



真波 「ここにいる意味?w何だ?言ってみろ」


女の子 「私達は、お友達だからです!!」


芽愛 「はぁ?いつ友達になったんだ…」


女の子 「今です!今日会ったのも、何かの縁だと思うんです!!」


私が、あきれた顔で女の子を見下ろしていると、真波が急に笑い出した。


真波 「面白いなwいいぞ友達になってやるよ?お前、名前は何ていうんだ?」


芽愛 「おい!!勝手に私まで、友達ってことにするな!!」


女の子 「葵…葵っていいます。」


真波 「葵…いい名前だな でも、友達になったのはいいんだかな」


真波は仕事上ここにずっといることが、不可能だと知っているのだろう。


芽愛 「仕事があるからな…無理だと思うぞ?それに、子守りは御免だ」


葵 「じゃあ…私が大きくなったら!!会いに来てください!」


真波 「まぁ、それならいいんじゃないか?子守りではないからな?w」


真波は笑いながら、私にそういった。


芽愛 「フン!勝手にしろ」


葵は嬉しいそうな顔をして、離れる私達に手を振っている。だか、真波も私も、会いに行く気なんて更々ない。
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