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□始まりの予知
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すべての始まりはあの春のことだった。
その時の俺たちはまだこれから起きる事を何も知らず、イギリスから日本への旅行を楽しみにしていた。










「おい、リア早くしろよ」

俺は手を腰にあて、未だに荷物を持ってゆっくり歩いてくるリアを呼んだ。

「ちょっと待ってよ!荷物が重いんだもん…」

リアはそう言うと小走りで俺の方に向かってきた。

「リア…だから荷物はそんなに要らねぇって言っただろ?」

俺が溜息まじりで言うと、

「だ、だってせっかく日本に行くんだよ!準備は万端で行きたいよ!」

と、腕をバタつかせながら言う
リアは目をキラ付かせて言っているが、なんやかんやで多分バックの中身はお菓子しか入ってないだろう。

俺たちは今から日本へ桜を見に行くため、
イギリスのとある空港にいる。日本には行った時がないがとても平和で豊かな所だと聞いている。

「まぁいいから、さっさと荷物預けて来いよ」

「う、うん!」

リアはまた小走りで荷物を預けに向かった。

リアは俺の彼女だ。
はぁ…まったく、リアにはもう少し大人になってほしい。いつもふわふわしていてこの場にいるのに中身は何処か遠くに行ってしまっているようなのだから…
まぁ、それはそれでいいか。
そうじゃなければ俺はリアの彼氏じゃないし、リアも俺の彼女じゃなかったかもしれないしな。

俺もこんな性格だし、ま逆の性格だからこそ惹かれあったのかも知れない。



よし、リアが帰ってくるまでに飲み物でも買ってきてやるか。

俺は近くに自動販売機がないかと、探してみると、この廊下の奥の方に2台あるのを発見した。



そこに向かうと右側の自販機に3人の人影を見つけた。

「うわ…マジかよ」

よく見ると、なんとその3人のうち1人が親友のシフティーだった。

シフは親友だが、高校時代からリアに好意を寄せており、俺とリアが付き合ったのを知った時は何度怒鳴られたものか…

なのに、等のリアはシフが好意を寄せていたことに全く気づいていなかった…
多分リアは未だにシフのことを、ただ仲の良いクラスメイトとしか思っていないだろうな。


俺は気づかれないようにそっと左の自販機に近寄り紅茶と炭酸飲料を買いその場を立ち去った。


どうにかばれないでやり過ごせたようだ。
あぶねぇ…もし見つかったら面倒くせぇことになっていただろう

ま、あいつとは行く場所が違うだろうし、見なかったことにしよう。

そうして俺はリアの元へと向かった。
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