ばらかもんたんぺん

□東京の闇
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「ううう、こんな早くにばれてしまうとは。どこから情報が漏れたし」

周囲を警戒して街中を駆ける。どこかの店に入るべきだろうか。いや、見つかっていたら袋のネズミになってしまう。

「それに締め切りすっぽかして来たんだ。見つかってみろ、殺される……!」

しかし私の必死の逃走も、あの方の前では無意味も同然だったようで。

「見つけましたよ、レイ先生」

背後でそんな言葉が小さく聞こえた。反抗するのも無駄だと判断して、おとなしく立ち止まる。

ザッ、ザッ、と歩く音が聞こえた。全身の冷や汗が止まらない。

まずいまずいまずいまずい。

ああ、さよなら島のみんな。私、レイ、本日を持ってその命を土に還します。

「何いってるんですか、先生」

「……え?」

驚きから後ろを振り返れば、呆れた顔はしているものの、怒った様子は見受けられない担当がそこにいた。

「さっきまでは怒りが頂点でした。ですけど、今から全力で原稿を仕上げれば」

担当は、魂の抜けた笑顔でこう言った。

「間に合うことに気づいたんです」

いっそのこと、

殺してくれた方が楽だった……!
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