めいたんていこなん
□天空の怪盗と探偵
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『そこで本日は――』
細菌テロのニュースをつけながら、コナンは服部と電話で会話していた。
「ほっとけ」
どうやらまたコナンくんネタでいじられたらしい。むくれつつコナンが服部に向かって吐いた。
「それより服部。俺が引っかかるのは――」
二人が(多分)難しい顔で話している横で、私はテレビのチャンネルを変えた。丁度バラエティがやっていたので、それに定める。
二人の話が飛行船、そして怪盗キッドの話になったので、耳を傾ける。
「ついさっき奴からオッケーの返事をもらったそうだ」
私が戦線を半分離脱することは快斗には言ってある。ただサポートはできるだけ全力でするつもりだ。そのためにゆず兄についてきてもらうようなものだし。
つまり今回の犯行、ゆず兄のためにも失敗しちゃならないことになる。
まああの天才的奇術師キッド様が失敗するなんて考えられないけどね。
「ああ、わかったよ。咲、服部が俺とおめーと服部とで、お好み焼きの店に行こうって」
ふいにコナンがこちらを向いて電話の内容をこちらに話した。
「奢ってって言っといて」
「おめー相変わらずだなあ……。もしもし服部?」
それからコナンと服部で一言二言交わしてから、「ああ、じゃあな」とコナンが電話を切った。
「ねえ新一、服部とゆず兄って相性どうかな」
前々から思っていたことを、携帯をしまいこんだコナンに告げると、コナンは顎に手を当て考えてから苦笑する。
「ゆずが嫌がりそうではあるな」
「私もそう思う」
やかましい服部にすごく嫌そうな顔をするゆず兄が頭に浮かぶ。ゆず兄は静かなところが好きだからね。
「でもま、一回あわせてみねーとわかんねーわな」
にやりと笑ったコナン。私もにやりと笑い返す。
「私もそう思う」